<つづら淵>
新居浜市の繁華街、
昭和通りの若水町に
清水がコンコンと湧き出ている所がある。
説明板によると、
奈良時代には
新居の庄は東大寺の荘園となり、
荘園で作られた米穀を
収納する津倉があったとされている。
この辺りの一帯には、
清水が湧き出る広く深い淵があり、
これをつづら淵と呼び、
神龍が住むといわれ、
干天続きの時には、農民が笹ケ峰に登山し、
八合目の月日の神水を汲んで持ち帰り、
この淵に投入すると、
雨を恵んでくださると伝えられている。
一宮神社では、
毎年1月7日早暁に、
この淵において宮司が祝詞を奏し、
霊泉の水を汲んで持ち帰り、
神前に献上し、神餞を調理する。
これを「若水取りの神事」といったことから、
この辺りの地名を「若水町」と呼ぶようになり、
また、「津倉」がなまって
「つづら」と呼ぶようになった。
現在では、「若水取りの神事」は
新居浜の冬の風物詩として親しまれ、
昭和53年4月6日、市の史跡に指定され、
平成20年6月25日に
環境省より「平成の名水百選」にも選定された。
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