日本全国名所巡りの旅


 旅先の説明板・奈良

宝蔵院流鎌槍発祥之地/奈良14



宝蔵院流鎌槍発祥之地


宝蔵院流槍術
流祖・宝蔵院覚禅房胤栄は、
南都興福寺の学侶でありましたが、
武芸を好み、柳生宗巌と共に
上泉伊勢守から刀術を学び、

一方、槍の修行にも努め、
ついに猿沢の池に浮かぶ
三日月を突き十文字釜槍を工夫し、
宝蔵院流鎌槍術を創めるに至った

と伝えられています。


宝蔵院流鎌槍は、
通常の素槍に対し
鎌槍と称する十文字形の穂先に特徴があります。


この槍を活かして
立体的、平面的に使用し、
画期的な武器として

突けば槍 薙げば薙刀 引けば鎌 
とにもかくにも外れあらまし
」と歌が伝えられ、

江戸時代を通して全国を風靡するに至りました。


宝蔵院興福寺子院の一つで、
中世末以来この地にありましたが、
明治初年の廃仏毀釈の際に取り壊され、
その跡地は、奈良国立博物館構内に組み込まれました。


現在は、
宝蔵院の井戸枠と伝えられる
六角形の石組が敷地内に残されている他、

胤栄が庭の大石に「武神摩利支天」を祀り
槍術成就を祈請した武神摩利支天石
興福寺三重の塔前に遷座されています。


    平成14年12月吉日  

         奈良宝蔵院流鎌槍術保存会